Toggle menu

タチヨリドコロ

大刀洗は、今日も元気です。

花田 由美子さん

農家

小石原川のほとりで畑をされている花田さん。野菜を育てるのが大好き!という、元気はつらつなお母さんです。手入れの行き届いたキレイな畑におじゃますると、とびきりの笑顔で迎えてくれた花田さん。筑後平野の肥沃な大地で育った大刀洗の野菜をもっと多くの人に食べてもらいたいと、育てた野菜にまつわるお話を、ひとつひとつ身振り手振りをつけながら話してくださいました。

花田 由美子さん花田 由美子さん

ー 花田さん自慢の、じゃらじゃら穫れる落花生

「こうなって降りてくるのよ、この先が埋まって、殻になるんよ」
「(土が)さらさらしてるから、すぅーっと入っていくっちゃろと思う」

まず話してくださったのは、広めにつくられた畝(うね)に、ゆったり目に間を開けて植えられた落花生のこと。何度も何度も耕して土作りをしてきたという砂地の土はふかふかしていて、土もいいにおい。畑収穫するときもスコップいらずで、少しのちからで引っぱれば、簡単に引き抜くことができます。

「じゃらじゃらと取るときの感触は、もう感動よ!」初めて聞いたときは、「じゃらじゃら」という感触ってどんな感じなんだろう、と実感がわかなかったのですが、そのあと収穫体験をさせてもらって、なるほど納得。土の中に埋まっているたくさんの実が、引っぱるたびに土から出てくる様子にぴったりの表現なのでした。

土から引き抜いた落花生土から引き抜いた落花生

ー 落花生以外にもモロヘイヤも育てられています。

のびのび育つ落花生のとなりには、しゃきしゃきとした独特な食感で中華料理にもよく使われる空芯菜があります。そのまたとなりには、スープに入れればトロッとしておいしく栄養も豊富なモロヘイヤ。どちらも成長が早く、すくすくと育っています。

「夏は、ほうれん草とか青物野菜がすくないけど、モロヘイヤさえあえば大丈夫!」
これはね(モロヘイヤ)、余った野菜をスープ仕立てにしておいて、沸騰したら火を止めて、ジャキジャキと2~3cmに刻んで、最後に溶き卵を入れれば、もうOK! 暑いときは冷製スープにして食べても、最高だよ。」

「オクラとかモロヘイヤとか、すぐ芽を出すものは免疫力があるから、すぐ取らないとダメ。夏バテにはぴったりだから、毎日食べるといいよ。」暑い日にぴったりな料理方法のほかにも、こんな食べ方も教えていただきました。「モロヘイヤを日に干して、カラカラにしてパンパンと叩けば、ほら、ふりかけ。このままだとささらしいけど、干したらご飯にかけて食べられるわよ」2日ほど干して乾燥させると、叩くだけでモロヘイヤのふりかけが出来あがるなんて!モロヘイヤの意外な食べ方や使い方の広さに驚きです。

収穫したモロヘイヤの葉収穫したモロヘイヤの葉

「植物から気をもらうのよ」と、花田さんは話されます。
「こんな日もきて草とらないかん。もちろん疲れるけど、ここにきたら心が休まる。もう、いっぱい草あるよ。なにこれって、ひっくり返りそうになるけど、取り出したら、どうにかこうにか、えらい気をもらってるなぁ、お互いに励ましあってるなって。」

「手をかければちゃんとこんなふうにできるし、自分の気持ちのなかで、どれだけ心豊かに暮らせるかということを考えると、やりたいことをやるのが大事だとおもうっちゃん。作れない人は買わないといけないけれど、幸いなことに土地があるから、自分で作れる野菜は作ってみようかな、そうすれば、本当の味というのがわかるけんね。」

自分の手で、ひとつひとつ丁寧に、野菜本来の味を確かめながら野菜を育てている花田さん。今のような落花生が育つまでにも、土づくりをし直したり、畝を改良したり、多くの試行錯誤があることが、言葉から伝わってきます。

花田さんの育てた野菜を食べられた方が、こう話されたそうです。「あんたからもらったのを食べると、甘いうえに美味しい。こんな風に感じたのは初めて!」花田さんのお話を聞いていると、「野菜を食べる」ということが、「野菜の“いのち”を頂く」ということだということを、改めて気づかせてくれました。

取材のあとに分けてもらった梅干も、疲れた体に沁みる優しい味でした。

花田さんの畑の風景花田さんの畑の風景


※2011年〜2013年までタチヨリドコロを運営していた大刀洗ブランチによる取材記事を引き継ぎ掲載しています。

ページトップへ戻る