大刀洗町に暮らしている人たちは、どんな風に暮らしているのだろう。
町の人たちの声に、耳を澄ましてみました。
元気な3姉妹と1人の男の子を育てながら、手づくりのアクセサリーを作ったり、ワンデイカフェを開いたり、大刀洗で活発な活動をしている永冨さんに大刀洗での暮らしをうかがいました。
永冨 佐織さん親子。3姉妹と1人の男の子のお母さん。
ー 雑貨を作り始めたのはいつ頃ですか?
雑貨を作り始めたのはまだ三輪に住んでいた時のことで、長女がお腹にいる時から作ったり、販売したりしてました。「ママさんたちのカラオケ発表会の時につける指輪を作ってください」とお願いされて、それ以降、口コミで広げてもらってそこから買っていただく人が増えてきて・・・。お金を払って買っていただくものだから、それならちゃんと資格を取ろうと思って、ビーズアクセサリー講師の資格を取りました。資格は取ったものの、どうやってアピールしていいのかもわからず、その頃はまだ自宅でひっそりコソコソ創作活動していたな・・・(笑)
それで、大刀洗に家を建てる時に「お店をしたいけん、ビーズの部屋を作って!」って伝えて、自宅に小さいショップスペースを作ってもらいました。ひっそりコソコソ活動からちょこっと前進!だから、作り始めてもう11年。6年前には自宅にスペースが出来ていて、今では、ビーズアクセサリーにパワーストーンも加わり、雑貨屋さんだけではなくて、「雑貨cafe」をつくりたい!と、妄想中・・・。いろいろやりたいことが増えて、夢は増えていくばかりです(笑)
スペースで作業する永冨さん。
ー ひだまりカフェ(*1)で「1Day雑貨カフェ」をされていますが、カフェをやりたくなったきっかけは?
パパがコーヒーの焙煎に目覚めたからです(笑)「雑貨を見ながらコーヒーが飲めるようなお店は大刀洗にないよね、できたらいいよねー」って話していて、いつも単純で「あったらいいんじゃない、できたらいいよね」というところから始まります。
ワークショップだけでは開く度に人を集めるのが大変だから、何か変えないと・・・と感じていた時に「カフェがやりたくて、パパがコーヒー淹れるから、スイーツを作って!」と、同じようにカフェをやりたいと話していた知り合いに声をかけてみて、ひだまりカフェならできるよね...となって始めました。
1Day雑貨カフェは、大体月1回でやっていて今年で3年目です。でも夏休みはどうしても子どもの学校のイベントが土日に入ることも多く、8月は休みました。無理しても面白くないけど、開けないと忘れられるし...となかなか難しいです(笑)
嬉しいことに常連さんも増えてきているけど、いま抱えている問題は、何をしているのか「ひだまりカフェ」の周辺に住んでいる人たちに知らせることが出来ていないこと。何も発信せずに集まっても「あの集まりは何だろう?」と見えてしまっていると思います。
「もうちょっと発信せないかんよね」と思っています。町外は柳川とか熊本とか、久留米とかから来てくれるけど、ご近所の人たちには伝えきれていないんです。
(*1) 本郷校区にあるコミュニティ拠点。一軒家の空き家で、時々イベントが開催されている。
ー 大刀洗町のふるさと納税の返礼品にも出されていますよね。年末には20件も注文がきたとか...。
風水などで邪気を払うために使われる「サンキャッチャー」という部屋のインテリアアクセサリーをつくっています。本当に注文がくると思っていなかったから、メールチェックしていなかった。いきなり宅配の人が自宅に来て「集荷にきました」「は?なんのですか?」ってなりました(笑)
「メールが役場から来てるはずですけど・・・」「・・・!役場に取りにいってから、ちょっとラッピングします! また取りにきてください!」と...
返礼品のサンキャッチャーの一部
キラキラと輝くクリスタルを繋げてつくる。
ー ご自身の活動の他に、大刀洗町の地方創生の委員にもなられていますよね。
住民協議会(*2)の依頼もありました。住民協議会の依頼が先で、その当時はまだ長男が生まれて2ヶ月だったから、託児にも預けることができない。それから、より参加したい気持ちがあるのは子育ての委員としての依頼だった地方創生審議会。担当の方に「会議に赤ちゃんを連れて来ていいですか?」って聞いて「いいですよ」と返事をいただいたので参加することを決めました。
審議会では、真剣に話し合い、シーンとした場が続き、でもさすがに5、6ヶ月にもなるとベビーカーに乗って動くから、地域振興課のパパさんたちが気を利かせてくれて、託児をつけてくださいました。託児がつけば、子どもがいても参加できるママが増える。赤ちゃんを連れてくる側も気をつかうんです(笑)審議会に参加していた方々には可愛がってもらえて良かったです。
(*2) 町の政策や課題について、調査、審議するもので、委員は無作為に抽出された住民で構成される。
ー 実際に参加をしてみてどうでした?
分科会では本音で話せました。委員として関わっていたお父さんの1人は「今まで洗濯物をたたんでくれても『ありがとう』と言わなかったけど、言えるようになった」っておっしゃっていました。いかんなと思うことがあったって。
町役場に小さい子どもを連れてきた時に、今は誰かが「抱っこしとこうか?」って来てくれる時があって、とても嬉しいのですが、それをお金をかけて事業化しようと提案があがっていました。でも、それは不要ではないですかと、伝えました。気兼ねしないで、役場の玄関を入った時の雰囲気がどれくらい柔らかくなるかというのはお金をかけることじゃなくて、意識を変えていけばいいんじゃないですかって。役場に書類を提出しないとならない時期というのは特に、書類を書きながら愚痴を聞いてもらえたりとか、とりあえず誰かに話しを聞いてもらいたい、という思いがあると思います。
ー 地域に関わりながら子育てをするようになって、変化したことはありますか?
いろいろな活動をしているから、よその人たちはちびさんたちのことをよく知ってくださっています。活動しているおかげで地域の集まりごとにも出やすくなってきました。ただ、大刀洗に越してきたときは「大刀洗、何もないよねー」でした(笑)
だから、越してすぐのまわりに知り合いがいない時は、大刀洗には住んでいたけど、わざわざ以前住んでいた三輪の幼稚園まで送っていました。つながりができて、大変なこともあるけどよかったかなと思っています。
仲良く楽しく、末っ子の男の子が生まれて賑やかに。
ー これから、どんなことをしてみたいですか?
やりたいことだらけだからね(笑)いつもきっかけが「これ、いいかな?」ってそれで始まるから、色々やってみたいです。ママ友のつながりもいいけれど、それとも違うママたちが気軽に息抜きできる場所をつくる、集まって、それぞれが持っているやりたいことが実現していくようなところ。「こんなんしたいんだけど」「じゃあこげんしたらいいちゃない、みんなでしよっか」というやりとりができるような、そんな場所を「誰がきてもいいよ」というオープンな雰囲気のなかでやりたいです。
Pulm Rose
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